自動化、機械化、合理化の止め処もない流れの中に子ども達は置かれている。
インターネットは無機質な人間関係を可能にし、バーチャル、リアリティになれた子ども達の中からは徐々に現実感覚が失われ、どこまで殴れば相手が死んでしまうかが想像できないような子ども達が育っている。

時に、異星人のような子ども達。しかし、その子ども達の心は昔と同じく、愛されること、認められること、理解されることを求めているのだ。
その温かさ、ぬくもりをファミコンもロボットも与えることはできない。与えることができるのは、人間以外の何ものでもないのだ。
人は自分に持っていないものを、他に与えることはできない。親も教師も今、岐路に立っている。安易な道を選ぶか、自分との闘い強いられる道を選ぶかの岐路である。　　　　　　　　　　　　渡辺和子著「目に見えないけれど大切なもの」